医療法人設立の費用相場はいくら?専門家報酬や実費の内訳をわかりやすく解説

医療法人設立の費用相場はいくら?専門家報酬や実費の内訳をわかりやすく解説

クリニックを個人経営から医療法人へ移行する際、「設立にはいくらかかるのか」は多くの医師・歯科医師が気になるポイントです。

株式会社であれば設立費用を比較的イメージしやすい一方、医療法人は都道府県知事の認可を受けなければ設立できず、申請書類や事業計画、設立後の医療機関に関する手続きも必要になります。そのため、単純な「法人登記の費用」だけでは総額を判断できません。

ここでは、医療法人設立に必要となる費用の相場と、その内訳について解説します。

医療法人設立の費用相場はどのくらい?

結論として、専門家に医療法人設立の手続きを依頼する場合、50万円~100万円程度が一つの目安です。ただし、これはあくまで相場であり、依頼する業務の範囲によって大きく変わります。

行政書士による設立認可申請だけであれば数十万円程度から設定されているケースがあります。一方、設立認可申請から設立登記、診療所の開設許可、保険医療機関指定に関する手続きまで一括して依頼すると、100万円前後またはそれ以上になることもあります。

したがって、見積金額だけではなく「どの手続きまで含まれているか」を確認することが重要です。

なぜ医療法人設立には費用がかかる?

医療法人は、株式会社のように定款を作って登記すれば設立できる法人ではありません。

医療法第44条では、医療法人を設立するには主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事の認可を受けなければならないと定められています。

設立認可申請では、定款、設立総会議事録、役員関係書類、財産目録、事業計画書、収支予算書など、多数の書類を準備します。さらに、自治体によっては予備審査や事前相談が設けられており、書類の補正対応も必要です。

認可後には法務局で設立登記を行い、その後、個人診療所から法人診療所へ切り替えるための保健所や地方厚生局などへの手続きも発生します。

つまり、医療法人設立費用の中心となるのは単なる書類作成代ではなく、一連の認可・移行手続きを専門家に依頼するための報酬です。

「株式会社より法定費用が高い」はよくある誤解

医療法人は手続きが複雑なため、「国や自治体に支払う設立費用そのものが高い」と思われることがあります。

しかし、必ずしもそうではありません。医療法人の設立では株式会社の設立とは仕組みが異なり、公証役場で株式会社と同じような定款認証を行うものではありません。また、医療法人の設立登記については登録免許税が非課税となる取扱いがあります。

一方で、印鑑証明書や各種証明書の取得費、法人印の作成費、診療所開設許可などに伴う手数料が発生する場合があります。

そのため、医療法人設立では「法定費用より専門家報酬の割合が大きい」という点を理解しておくとよいでしょう。

実務では「設立後の手続き」まで確認することが重要

見積もりを比較するときに特に注意したいのが、医療法人設立認可後の手続きです。

設立認可を受けただけでは、すべての手続きが終了するわけではありません。設立登記、登記完了届、法人による診療所の開設許可・開設届、個人診療所の廃止届、保険医療機関指定に関する手続きなど、状況に応じて複数の手続きが続きます。

「医療法人設立○万円」という料金だけを見て契約すると、登記や保健所・厚生局関係の手続きが別料金となり、最終的な支払額が想定より高くなるケースも考えられます。

見積もりを取る際には、認可申請だけの料金なのか、法人診療所への切替えまで含めた総額なのかを確認しましょう。

行政書士は医療法人設立をどのように支援できる?

行政書士は、医療法人設立に必要となる定款や設立認可申請書類の作成、事業計画・収支予算関係書類の準備、行政機関との事前相談や申請手続きなどを支援できます。

また、設立登記については司法書士、税務については税理士、社会保険関係については社会保険労務士など、必要に応じて他士業との連携が必要になることがあります。

特に医療法人は自治体ごとに申請時期や審査スケジュールが設定されていることがあるため、「法人化したい時期」から逆算して準備を始めることが大切です。

まとめ

医療法人設立を専門家に依頼する場合の費用は、50万円~100万円程度が一つの目安ですが、設立認可後の手続きまで含めると100万円を超えるケースもあります。

重要なのは、単純に料金の安さだけで比較しないことです。「設立認可申請」「設立登記」「保健所手続き」「保険医療機関指定」など、どこまで料金に含まれているのかを確認しましょう。

また、医療法人の設立スケジュールや必要書類は自治体によって異なります。法人化を検討している場合は、希望する設立時期に間に合うよう、早めに医療法人手続きに詳しい行政書士などの専門家へ相談することをおすすめします。